飲食店開業シミュレーション

ここに、サラリーマンとして給与をもらっているAさんがいます。

元々料理が得意であり、飲食店をしたいと考えています。

しかし、飲食店を開業した場合、将来の経済状態がどうなるかわかりません。

決意する事ができず、時間だけが過ぎていきます。

そういう場合は以下の2つの作業が必要です。

・現在の自分の状況を整理する
・開業後の状況をシミュレーションする

この作業を行う事で、

①今開業をする

②数年後に開業する目標を設定する

③当面やらない

①~③の判断材料になります。

サラリーマンの決算書を作る

まず、現状の整理を行います。

Aさんの様に、サラリーマン⇒脱サラ⇒飲食店開業という流れが圧倒的に多いと思います。

そこで、

①現在のサラリーマン決算書を作ります。

②その後、開業後の将来の決算書を、シミュレーションします。

「決算書」というと、会社が作るものと思われがちです。

しかし、法律的に作成義務がないだけで、経済活動をしている全ての単位(個人、世帯、個人事業、病院、町、県、国)は決算書を作る事ができます。

決算書を作る事で、経済状況を数字で把握しやすくなります。

しかも簡単に作れます。

難しい事を考えず、ありのままを一枚の紙に書き込めば完成です。

話は少しずれますが、ある有名な投資家が、「投資はひどく個人的なプランだ」と投資を解説する本で書いてました。

飲食店開業はあくまで一つの投資です。

そして、投資とは、「今株式投資が儲かるらしいからやっている」という考え方ではなく、自分の状況を整理して行う事だという事らしいです。

その「整理」ために決算書を作ってみましょう。

まずは紙を横にして、縦線と横線を書きます。

すると、スペースが4分割された状態になります。

左上に資産 右上に負債と書きましょう。

まずは、資産を書き込んでみる

「資産」と書いた下に書き込んでいきます。

資産の例としては、預金、株、投資信託、不動産、車、宝石等です。

あまり難しく考えず書いていきましょう。

書き方の例

資産

現金     5万円

預金    100万円

土地    1500万円

自宅    2000万円

車      30万円

合計    3635万円

車や不動産、宝石等は買った金額ではなく、「今売ったらいくらで売れるか」という視点で記入します。

あくまで、経済状態をおおまかに把握するためのものなのです。

だいたいの数字で書きましょう。

次に負債を書いてみる

負債とは、基本的にローン全般です。

残高がはっきりしているため、簡単に書けます。

書き方の例

負債

学費ローン   100万円

住宅ローン   3800万円

自動車ローン   50万円

合計       3950万円

毎月の収支を書き込む

一番最初に4分割した紙の左下に「収入」、右下に「費用」と書きましょう。

収入の書き方

毎月の給与  20万円

妻の給与    8万円

合計      28万円

費用の書き方

生活費(世帯)

光熱費        2万円

携帯代        2万円

食費         4万円

住宅ローン返済  8万円

学費ローン返済  2万円

車ローン返済    2万円

雑費         2万円

合計       22万円

以上で決算書は完成です。

この一枚の紙を元に将来の経済状況をシミュレーションしていきます。

このAさんの場合、「妻と2人暮らしで子供は無し」の設定です。

現在は毎月6万円が浮く状態ですが、子供ができたり、親の介護が必要になったりすると、決算書が変化していきます。

最初に書いたようにあくまで投資は、「個人的なプランを考える事」です。、

「自分」の現実的な将来像を踏まえながら検討します。

また、余談ではありますが、飲食店開業のための融資を銀行で受けようとする場合、この決算書を銀行は作成します。

「もしお金を貸した場合、この人の経済状況はどうなるのか?」

「返済できるのか?」

という観点からシミュレーションに基づいて将来の決算書を作成します。

その書類を元に融資の判断を行います。

次回は、この銀行が行うシミュレーションについてです。

飲食店を開業した場合、決算書(自分の経済状態)がどう変化していくのかを書きたいと思います。


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